ベートーヴェン ピアノ ソナタ第2番
第1楽章
おそらく、ベートーヴェンのピアノソナタの中でも、もっともマイナーなものの1つだが、様々な試みが見られる。第2番でも、要所で非常に速いパッセージが現れる。最初の32分音符も左右で粒を揃えて弾くことは難しい

次のテーマは、短調となり、不安のような葛藤のようなものを感じさせる。

ここの16分音符の3連符で構成されるトレモロも、指定通りの速度で弾くのが困難なパッセージだ。

展開部は、最初の主題が繰り返し使われ、ベートヴェンらしさが伺える。

装飾音と16分音符の3連符とを組み合わせたダイナミックな展開が行われる。

最後は、最初の主題が繰り返されて終わる。
第2楽章
暖かなメロディが特徴的な楽章。ゆっくりと歩いていくかのような左手のスタカートが特徴的。

第2楽章としては珍しく、最初のメロディの繰り返しの間に、様々なメロディがはさまれるロンド形式。

ここは、最初とスラーのかかり方が違い興味深い。

第3楽章
軽快なメロディが用いられた、かわいらしいスケルツォ。

左右の手の役割が逆転。

中間部は、短調に転じて雰囲気が対照的。

第4楽章
フィナーレはロンド。この楽章も「速いパッセージ」へのこだわりが見える。

次は、もう少し速くなる。ここは最初の部分が16分音符の6連符になっているが、長さ的には8分音符の6連符の間違いだと思われる。

半音階とスタカートが印象的なパッセージ。全曲を通じて繰り返し用いられる。

今度はスケールとなって、更に速く。「どうだ、これが弾けるか?」と言わんばかり。

楽譜引用はヘンレ版。