ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 第27番

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第1楽章

第27番も2楽章しかない小規模なソナタ。最初のテーマは葛藤なのか覚悟なのか。

2つ目のテーマは、1つ目に呼応するかのような静かなもの。

次第にテンポが上がって行き、嘆きを表現するかのような和音が連打される。

この楽章は10度が頻出する。左手の10度跳躍の上に、右手はテーマになり切れない音型が繰り返される。空虚な心情を表すかのようだ。

右手の速いとりとめもない動きの上で、左手で2つ目のテーマが奏される。

再度最初のテーマに戻る。

最後は2つ目のテーマがppで繰り返されて静かに終わる。

第2楽章

第2楽章は、優しい旋律に囲まれた夢見るような楽章。それでいて、どこか寂しい雰囲気がただよう。

全体に流れるような雰囲気で、優しい風が吹いているかのよう。

何かを問いかけているのか、あるいは試行錯誤しているかのようだ。

眩しい光の中を進んでいくかのよう。

ゆっくりと歩いていくかのような旋律。

後半、ここで流れは止まり、色彩が消えていくが、またすぐに最初のテーマが帰ってくる。

最後に新しい流れるような旋律が現れて、かわいらしく終わる。

楽譜引用はヘンレ版から。